1722年、清の五代皇帝として雍正帝が即位し、紫禁城では新皇帝のもと、勢力図が塗りかえられつつあった。そんな中、後宮では雍正帝擁立に貢献のあった年羹堯の妹である華妃が雍正帝の寵愛を独占していた。だが雍正帝は政務で後宮に足を踏み入れることが少なかったため、子孫繁栄を案じる皇太后は秀女(皇帝の正室・側室候補)を選出することを提案、雍正帝もこれを受け入れる。そして紫禁城での最終選考の日、候補者の1人である甄嬛の顔を見た雍正帝と皇太后は激しく動揺する。
甄嬛に大いに興味を持った雍正帝は甄嬛を選出し自ら封号を下賜する。皇后は皇帝が甄嬛を気に入ったことを悟り、雍正帝が執務する養心殿に近い承乾宮に甄嬛を住まわせることにするが、華妃のひと言で甄嬛の住む屋敷は養心殿からは遠い碎玉軒に変更させられてしまう。新しい側室たちを迎える前から後宮での暗闘は始まっていた。その頃、甄嬛は同じく後宮入りが決まった陵容と共に自邸で皇宮でのしきたりを学んでいた。そしていよいよ門出の日、甄嬛は家族との別れを惜しみつつ壮絶な運命が待ち受ける紫禁城へと旅立つのだった。
後宮に入った甄嬛たちはぞれぞれの宮に案内される。甄嬛には碎玉軒、沈貴人には咸福宮があてがわれるが、 安答応の鍾粹宮には秀女選出の際に安へ難癖をつけた夏常在がおり、安答応は肩身の狭い思いをする。
ようやく後宮の暮らしにも慣れた頃、新しい小主たちと皇后、側室らの顔合わせの場が設けられる。その帰り道に甄嬛と沈貴人は夏常在に難癖をつけらてしまう。その様子を見ていた華妃は傲慢な夏常在に対して恐ろしい命令を下す。
夏常在が重い罰を受けた一件で、甄嬛は後宮に自分の敵は少なくないこと、そして華妃の恐ろしさを痛感する。そんな中、碎玉軒の海棠樹に埋められていた古い壺が見つかる。中には妊婦が使用すると流産を引き起こす生薬が入っていた。前に碎玉軒に住んでいた芳貴人が流産したことを聞かされていた甄嬛は、温侍医を呼び夜伽をしたくないと苦しい胸の内を明かす。そしていよいよ新小主たちが伽の候補に加わる日、温侍医は甄嬛が病だと皇后に告げる。甄嬛が病だと知った雍正帝はその夜の伽の相手に沈貴人を選ぶのだった。
後宮の争いを避けようと甄嬛はわざと病を長引かせていたため、心無い太監たちは碎玉軒を去り、内務府も碎玉軒のことをないがしろにしていた。大晦日の夜、病のため宴への出席を免除された甄嬛は、倚梅園を訪れ「梅花」の詞になぞらえた願い事をつぶやく。すると暗がりから男に声をかけられ、甄嬛は姿を見られないよう自分は宮女だと告げその場を去る。声をかけてきた男が雍正帝だとは知らずに。
一方の雍正帝は謎の宮女を捜し出すよう蘇培盛に命ずる。蘇培盛が見つけてきたのは、大晦日の夜、倚梅園で雍正帝と甄嬛のやりとりを盗み聞きしていた宮女の余氏だった。
歌にたけ官女子から答応へと位を上げた余氏は、寵愛を盾に我が物顔で振る舞っていたがあまりの横暴さゆえ、見かねた皇太后より謹慎を言い渡される。そんな中、皇后が気を利かせ、まだ声のかからない安答応が初めて夜伽の相手に選ばれるが、緊張しすぎた安答応は、雍正帝から指一本触れられず宮へと送り返されてしまう。
少しずつ回復に向かう甄嬛はある日、御花園のぶらんこで簫を吹いていると、果郡王と名乗る男に出会った。5日後の同じ時刻同じ場所で落ち合うことを約束するのだが…。
果郡王との約束の日、御花園を訪れる甄嬛だったが、大雨のためか果郡王は訪れず甄嬛は内心失望する。一方、皇太后に呼ばれた後、急いで御花園に向かう雍正帝だったが、すでに甄嬛の姿はなく、その後、風邪をこじらせ寝込んでしまう。数日後、再び御花園を訪れた甄嬛だったが、そこへ余氏が現れ、位よりも寵愛を得る者が尊いのだと甄嬛を侮辱するのだった。すると果郡王と名乗っていた男が現れ、余氏を諌める。甄嬛はその男が果郡王ではなく雍正帝だったことを初めて知るのだが…。
雍正帝に見初められた甄嬛は湯泉宮での沐浴を賜り、ついに床入りを迎えた。だが同じ夜 華妃は恨めしそうに夜空を見上げ、仲の良い沈眉荘さえも眠れぬ夜を過ごすのだった。
湯泉宮から戻った甄嬛に雍正帝から椒房の祝いが届く。華妃以来の特別待遇に、今までぞんざいに甄嬛を扱っていた周囲の態度は一変、麗嬪の元で仕えると言い去っていった太監まで再度、甄嬛に仕えたいと申し出る。忠義心を何よりも大切にする甄嬛は申し出を断るが、麗嬪の恨みを買い、何より華妃の嫉妬心を燃やしてしまうのだった。
寵愛を独占するあまり側室たちから嫉妬を買ってしまった甄嬛は、雍正帝に他の側室の元にも赴いてほしいと訴える。一方、華妃は後宮の管理を学ぶことを許された沈貴人を翊坤宮に呼び、明かりが少ない中、帳簿を写すよう命じる。ようやく解放された沈貴人だったが、翊坤宮にほど近い池に立ち寄った際、何者かに池へ突き落とされてしまう。沈貴人は一命を取り留めるも華妃の仕業だと確信し、甄嬛の前で復讐を誓うのだった。
甄嬛は日ごとに眠気と倦怠感に襲われていた。不審に思った甄嬛が温侍医を呼ぶと、甄嬛のために煎じられていた薬の成分が増やされており、犯人は新しく碎玉軒に遣わされた余氏の元宮女だった。雍正帝は余氏を冷宮送りとするが、雍正帝が情けをかけることを恐れた甄嬛は、自分が大晦日の夜に倚梅園で願掛けしたことを伝える。余氏の嘘を知った雍正帝は即座に余氏に自害を申し渡すが、余氏はなかなか聞き入れようとしない。悪あがきを続ける余氏の元を安陵容が訪れ…。